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その結果、人手不足になり、賃金は急上昇しました。 賃金が上がればインフレが進行します。
ここでインフレを抑えればよかったのですが、インフレになっても景気さえよくなればいいという政策のもとで投資が加速しました。 賃金が上がれば為替は弱くなる、というのが基本的な法則です。

そのうえタイ政府の中央銀行はバーツと米ドルとのリンク(固定相場制)を続けていました。 そこを国際投資家集団、ヘッジファンドに狙われたのです。
96年、ヘッジファンドはドルとの為替予約をしておいてタイバーツを売り浴びせました。 驚いたタイは自国の通貨バーツを守るために手持ちの外貨で買い支えましたが、結果はバーツの破綻となり、バーツは固定相場制から変動相場制に移行し、急落していったのです。
バーツが下がるということは、それまでは一バーツ出せば買えた物が、二バーツ、3バーツ出さないと買えなくなるということです。 企業が赤字になるのは必至です。
海外企業は先を争ってタイから撤退を始めました。 そしてタイは不況におちいっていったのです。
その後、ヘッジファンドは同じ手口でマレーシア、インドネシア、フィリピンと攻撃していき、各国を破綻させ、不況におちいらせました。 その結果、ヘッジファンドは巨大な利益を手にしましそして97年夏以降、ヘッジファンドは香港をターゲットとして襲いかかってきたのです。
香港ドルも米ドルとリンクしています。 これを突き崩せば、ヘッジファンドはまた大儲けできます。
香港はこれに対抗してあらゆる手を打ちました。 最終的に香港ドルは守られましたが、それが精一杯で、株式までは手がまわらなかったのです。
もともとバブル的な要素があったからなおさらです。 株価はその後急落し、元の値段に近くなっていきました。
翌年の98年にはさらに下がっていくことになります。 私の株も、3000万円が1000万円以下に下がってしまいました。

この出来事に、投資クラブのメンバーもびっくりしていましたが、私自身はそれほどガックリきているわけでもありませんでした。 まあ、たしかに地獄といえば地獄でしょうが、それほどくやしくはなかったのです。
いや、むしろ喜んでいた、といってもいいのです。 たしかに3000万円が1000万円にまで落ち込んだのは、残念無念という気はします。
しかし、もともと今回の投資は短期ではありません。 10年、20年という長いスパンで資産を作るというスタンスなのですから、急騰も暴落も「こんなもんか」と思っていればいいのです。


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